後退

出来ていた事が突然できなくなる時。
Rの気持ちの中で何かの変化があるのだろうけど、私からのパッと見では解らない事が多い。

バス停までのRが毎日通う道。
登校時は何の問題も無いのだけど(段差を降りる場所ばかりなので手をつないで歩いているからかな)、下校時の道で今まで難なくできていたのに問題が。

家に着くまでの間に 3cm程、10cm程、 12cm程の3カ所の段差を越える場所があります。ひとりで越えられていたのが突然越えられず立ち止まってしまうように。

10年近く通っているうちに、昨年、手をつながなくてもひとりで越えられるようになったのです。それは3cmの段差も12cmの段差も高く片足を上げて、「そんなに上げる程の高さじゃないよ~」と、ぶきっちょに、だけど一生懸命越えようとする姿に思わず「よくできたね~」と嬉しい笑みがでちゃうところなのです。

事の発端はたぶん、フェンスのベニヤ板に貼った選挙ポスターの下側の針金が外れ、風であおられると大きくバタバタ動いて危険な状態になっていた事があって、危ないなぁとは思いながらも選挙ポスターだから勝手に触るのもどうかなぁと避けて通っていたのです。
ある日、そのポスターが外され道のフェンス側に立てかけられていました。Rは、その時は別に何も気にする事はなくポスターの横をすんなりと3cmの段差をひとりで越えて歩いていました。

そして2週間程過ぎた後、ポスターが元あった場所にきちんと貼り直されていました。
この時からなぜか3cmの段差の前でRが立ち止まりどうしても越えようとしなくなってしまいました。外れていたポスターが元の位置に戻され、道は障害物が無くなり歩きやすくなったはずなのに。

「どうしたの? 何も変わってないよ、元の所に戻っただけだよ」と何度話しかけても毎日、毎日その場所で立ち止まり、「せ~の!」と背中をポンと叩いてあげると、掛け声に合わせ何とか越える事ができるので、立ち止まる、掛け声+背中ポンで暫くの間は過ごしていました。

その時は3cmの段差は越えられないのですが、その後にある10cmと12cmの段差は今まで通り、えいやっ!とばかりに足を大きく上げてひとりで越えていました。何で~? ここが平気なのになんで3cmがだめなの~???と理解に苦しむ母です。

そして1週間程前から、何と3カ所すべての段差を越える事ができなくなってしまいました!
今日は寒さも和らいでいたので安全な2つ目の段差の所で「大丈夫だよ、何も変わってないよ。前みたいにひとりで越えてごらん。おいで~」と待ってみることにしてみました。

途中、少し戻ったりして勢いで来れないかな? とか、背中ポンで越えれないかなとか、段越えた先で座っておいでおいで~と手招きしてみたりと、いろいろ試してみたのですが...残念ながら1時間待ってもダメでした。がっくり。

雨が降ったり雪が降ったりして地面の色が大きく変わったりはしたけれど、晴れてる日はひとりで越えられていた日と大きな違いは無いはずなのに、いったいどうしてなのか解らなくて、何だかまた後退してしまったのかなぁとちょっとがっくり気味の母です。